美しく腐りにくい米ひば、米ひば製材の飛鳥

  木は生きている、それで伸びる縮む
木は生きている、といわれます。ムクの木は建築後も水分を吐き出したり吸い込んだりしています。あたかも呼吸しているようです。やっかいなのはその呼吸にあわせて寸法や容積が変化することです。湿気を吐き出せば寸法が縮む。湿気を吸い込めば寸法が伸びる、そして容積が大きくなります。しかしあまり大きく変化するのでは困ります。今日の住宅では気密性や快適性が要求されるからです。いくら木が健康によいといわれても、乾燥して隙間があいたり割れたりでは誰でもこまりますね。木はどれくらい伸び縮みするのでしょうか? まず方向によって大きな違いがあります。常識的なことですが改めて整理してみます。年輪に対して接線方向の木目を板目、放射方向の木目を柾目といいますね。伸び縮みは、板目方向が大きく柾目方向は小さい。これは皆さん知っています。ざっというと板目2の伸縮に対して柾目は半分の1しか変化しません。また長さ方向の伸縮は非常に小さいので無視できます。それと大事なのは木の種類の違い。下表をご覧ください。生木から含水率0の全乾燥状態に変わるあいだに収縮率の最も大きいアカガシの場合、板目方向で12.1%、柾目方向で5.6%縮みます。一方変化の最も小さなキリの収縮は、板目方向5.2%、柾目方向に1.4%。極めて小さいです。従って木を賢く使うには、①生材を避け、平衡含水率まで乾燥した木を使う(いちど平衡含水率まで乾燥すればその後の気候変化による変化はプラスマイナス各34%程度。従ってその後の伸縮は僅か)②特に精度が必要な用途には伸縮の小さい特性をもつ樹種を使う、がポイントになります。 

1表 生材が完全乾燥(含水率0)するまでの収縮率と含水率1%ごとの伸縮率

樹種名

産地樹種名

全収縮率(含水率300%)

含水率1%あたりの収縮率

 

 

板目

柾目

容積

板目

柾目

(針葉樹)

 

 

 

 

 

 

 

6.5

2.5

 

0.24

0.09

 

6.4

3.1

 

0.21

0.11

赤松

 

8.5

4.0

 

0.29

0.14

カラ松

 

8.6

3.9

 

0.31

0.14

(広葉樹)

 

 

 

 

 

 

ブナ

 

11.1

5.2

 

0.32

0.21

マカンバ

 

7.6

5.2

 

0.26

0.21

ミズナラ

 

10.7

5.4

 

0.31

0.20

アカガシ

 

12.1

5.6

 

0.38

0.20

キリ

 

5.2

1.4

 

0.20

0.06

 

 

 

 

 

 

 

出所

木材接着テキスト P31 3 (社)日本木材加工技術協会

 

 

 

 

 

 

 

樹種名

産地樹種名

全収縮率(含水率300%)

含水率1%あたりの収縮率%*

 

 

板目

柾目

容積

板目

柾目

(針葉樹)

 

 

 

 

 

 

米杉

western red cedar

5.0

2.4

6.8

0.17

0.08

米ヒバ

yellow cedar

6.0

2.8

9.2

0.20

0.09

米松

douglas fir, coast

7.6

4.8

12.4

0.25

0.16

バルサムファー

balsam fir

6.9

2.9

11.2

0.23

0.10

ノーブルファー

noble fir

8.3

4.3

12.4

0.28

0.14

米栂

hemlock,western

7.8

4.2

12.4

0.26

0.14

ロジポールパイン

lodgepole pine

6.7

4.3

11.1

0.22

0.14

レッドウッド

redwood,old growth

4.4

2.6

6.8

0.15

0.09

シトカスプルース

sitka spruce

7.5

4.3

11.5

0.25

0.14

 

 

 

 

 

 

 

(広葉樹)

 

 

 

 

 

 

ホワイトアッシュ

white ash

7.8

4.9

13.3

0.26

0.16

ホワイトオーク

white oak

8.8

4.4

12.7

0.29

0.15

シカモア

american sycamore

8.4

5.0

14.1

0.28

0.17

ウオルナット

black walnut

7.8

5.5

12.8

0.26

0.18

イエローポプラ

yellow poplar

8.2

4.6

12.7

0.27

0.15

メープル

silver maple

7.2

3.0

12.0

0.24

0.10

 

 

 

 

 

 

 

*

原データに掲載ないため全収縮率÷30(%)で算出

出所

木材ハンドブック 第3章 表3-5 米国林野庁

 

 未乾燥材は実際にどれだけ縮むか
いま生木を巾107mm×厚み47mmに製材したとしましょう(巾が板目、厚みが柾目)。この製材寸法は木のヤセ(収縮)を計算に入れて多くの工場が設定しているものです。さて製材後、木材は自然に乾燥していきます。ここで製材時の含水率がいくら高くとも含水率が30%に落ちるまでの間、寸法は変化しません。しかし含水率30%の繊維飽和点を境としてそれ以下の乾燥では木の収縮を伴います。そして平衡含水率の15%まで水分を吐き出したところで自然乾燥は止まります。
さてその時、生木製材寸法107×47は、どう変化しているでしょう? 表1の数値を使って算出してみました。机上計算による近似値です。

2 生木製材寸法の含水率15%での寸法変化

樹種名

産地樹種名

含水率1%あたりの収縮率%*

含水率15%での寸法mm

 

 

板目

柾目

板目

柾目

生材製材寸法

 

 

 

107.00

47.00

(針葉樹)

 

 

 

 

 

 

0.24

0.09

103.22

46.39

 

0.21

0.11

103.69

46.26

赤松

 

0.29

0.14

102.43

46.05

カラ松

 

0.31

0.14

102.12

46.05

(広葉樹)

 

 

 

 

 

ブナ

 

0.32

0.21

101.96

45.58

マカンバ

 

0.26

0.21

102.90

45.58

ミズナラ

 

0.31

0.20

102.12

45.65

アカガシ

 

0.38

0.20

101.01

45.65

キリ

 

0.20

0.06

103.85

46.59

 

 

 

 

 

 

出所

木材接着テキスト P31 3 (社)日本木材加工技術協会

 

 

 

 

 

 

樹種名

産地樹種名

含水率1%あたりの収縮率%*

含水率15%での寸法mm

 

 

板目

柾目

板目

柾目

生材製材寸法

 

 

 

107.00

47.00

(針葉樹)

 

 

 

 

 

米杉

western red cedar

0.17

0.08

104.32

46.46

米ヒバ

yellow cedar

0.20

0.09

103.85

46.39

米松

douglas fir, coast

0.25

0.16

103.06

45.92

バルサムファー

balsam fir

0.23

0.10

103.38

46.32

ノーブルファー

noble fir

0.28

0.14

102.59

46.05

米栂

hemlock,western

0.26

0.14

102.90

46.05

ロジポールパイン

lodgepole pine

0.22

0.14

103.53

46.05

レッドウッド

redwood,old growth

0.15

0.09

104.64

46.39

シトカスプルース

sitka spruce

0.25

0.14

103.06

46.05

 

 

 

 

 

 

(広葉樹)

 

 

 

 

 

ホワイトアッシュ

white ash

0.26

0.16

102.90

45.92

ホワイトオーク

white oak

0.29

0.15

102.43

45.99

シカモア

american sycamore

0.28

0.17

102.59

45.85

ウオルナット

black walnut

0.26

0.18

102.90

45.78

イエローポプラ

yellow poplar

0.27

0.15

102.75

45.99

メープル

silver maple

0.24

0.10

103.22

46.32

 

 

 

 

 

 

*

原データに掲載ないため全収縮率÷30(%)で算出

出所

木材ハンドブック 第3章 表3-5 米国林野庁




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